PCB汚染を食い止めなければならない理由

 世界に比べ、PCB汚染の状況がより深刻である日本は、どこの国よりもPCB濃度の基準値を厳しく定め、令和9年3月31日までにPCBやPCBに汚染された機器の全量処分を掲げました。

 日本が世界で最もPCB汚染が著しい国であることは、本ブログでも紹介してきましたが、

そもそもPCBが、私たちにどのような経由で、どのような悪影響が想定できるかを解説した記事は、なかなか世に出回っていないように思います。

 そこで本記事では、PCB処分に向けて取り組む意義を皆様と共有できればと思い、執筆させていただきました。

処理期限の令和9年3月31日まで残すところ5年もありません。皆様とPCB全量廃棄を必達してまいりましょう。

  • PCB汚染対策に後れをとった日本

PCBの汚染問題が取り沙汰された1968年の「カネミ油症事件」を受けてもなお、日本のPCB製造会社は、PCB製品(電力機器・感圧紙・熱媒体など)を作り続けてしまいました。日本政府のPCB対策はここで、世界に後れをとることになります。

もっと言えば、それよりも前からPCBの汚染問題は海外ではメジャーでありました。

 皆さんは、総合科学誌『Nature』をご存じでしょうか?

この雑誌は、1869年11月4日の創刊以来約140年の歴史をもち、最先端の科学を掲載させる世界の科学者必読の情報誌です。

この情報誌では、1968年のカネミ油症事件が発生する10年前くらいからその危険性は指摘され、世界に警鐘を鳴らしておりましを。PCBを製造するアメリカのモンサント社は、この辺の世の中の機運を察知して、製造禁止に踏み出しております。

 そのころ日本では、各地でPCB製品が旺盛に出荷され、カネミ油症事件のあった1968年以降からが最も出荷量が増加し、製造工場から河川や海に流され汚染状態が続くことになってしまったのです。現在であればインターネットで世界に情報が発信されておりますが、世界からの情報は、科学者による論文やこれら雑誌によって情報が得られておりました。

だから日本が遅れてしまったのは、仕方がないということを言いたいわけではありません。

 世界がこれだけPCBに警鐘を鳴らしていたにもかかわらず、先進国の中で日本政府だけ、PCB汚染と真剣に向き合いませんでした。そして、カネミ油症事件という大きな人災を前にしてさえも、本格的なPCBの汚染対策に結び付くことはありませんでした。そこには、ある問題が潜在的にあったのだと思います。

 

  • カネミ油症事件がきっかけで、PCB対策がおくれた?

 日本政府がPCB汚染対策に本腰を上げなかった理由は、皮肉にもカネミ油症事件だったのかもしれません。

カネミ油症事件がきっかけで、PCB対策がおくれた

 そう私は思っています。

カネミ油症事件を再度ひも解いてみましょう。

カネミ油症事件は、カネミ倉庫という会社が、植物油の異臭を除去する工程で熱を加えておりました。食用油にパイプを通してそこに高温のダーク油を流しこみますと、その異臭が除去できる仕組みです。

 このダーク油に入っていたのがPCBでした。

そしてこのパイプの経年劣化によってPCBが食用油に流れ出し、その食用油が関西圏に出荷されて、それを摂取した方が様々な健康被害をうったえるようになってしまったのです。

この時の日本政府が間違えたのは、PCBの根本的な危険性を是正するものでなく、カネミ倉庫の業務上の管理に焦点をあててしまったことです。

 言い方を変えれば、カネミ倉庫の過失であることにフォーカスを当てすぎて、PCBの環境汚染が人体に悪影響を与えてしまうという本質を見失ってしまったのです。

  • 人へのPCB汚染は、魚に由来する。

PCBの環境汚染=人体に悪影響

では、なぜPCBの環境汚染が私たちの人体に悪影響を与えることになるのでしょう。ここが理解できていれば、PCB製品も旺盛に作られず、汚染防止に大きく寄与できたはずです。

というともっともらしく聞こえますが、的を得ていることではありません。

当時、PCB製造会社は、海や河川や湖にPCBをほぼ垂れ流しにしていました。汚染された海や河川や湖に生息する魚類はPCBに汚染されます。これら汚染された魚を食べることで、私たちの体は汚染されていくのです。

つまり

 PCB製造→海や河川や湖へのPCBの垂れ流し→魚類の汚染→人間の摂取による健康被害

という流れが正解です。

実際、当時のPCB製造会社付近で取れた魚類のPCB濃度は、そうでない魚と比較して何百倍も違いが出たという研究結果もあるくらいです。

さらに一般のサラリーマンとPCB製造工場付近の漁師との血中のPCB濃度にも10倍から20倍もの差がつき、人へのPCB汚染は、魚類に由来することは証明されているのです。

  • なぜ、PCBの処分を行わなければならないのか。

わたしたちは、PCBが人体に有害だといいますが、PCBがどのような経由で私たちに影響を与えるのかを具体的に知る必要があります。これを知っているかいないかで、今後の行動が大きく変わることになります。PCBに汚染された魚類を摂取することで私たちに健康被害が及ぶのであれば、海や河川や湖にPCBを流れ出ることに注意するでしょう。海や河川や湖に流れ出るのを防ぐには、PCB保管事業者がPCBを容器に入れたり、定期的にその容器を検査して漏洩の具合を調査しなければなりません。

しかし、このような管理を永久的に行っていくことは、物理的に不可能なことなので、全量処分という決断を政府が下したのです。PCB全量廃棄を掲げたことの根本的な理由が分かれば、行政と保管事業者が協力して処分してくれるはずです。期限の令和9年3月31日までに全数量が処分できるよう頑張ってまいりましょう。

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新潟、長野、山形、福島、富山の
PCB処理はお任せください。

主な許可・資格

〇建設業許可(解体工事業)新潟県知事許可(般-1)第41442号

〇新潟県産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01508055229号

〇新潟市産業廃棄物収集運搬業(積替え保管) 許可番号 05910055229号

〇新潟市産業廃棄物処分業 許可番号 05920055229号

〇新潟県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01558055229号

〇古物営業許可取得 新潟県公安委員会許可 第461070001021号

〇山形県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 0659055229号

〇群馬県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01050055229号

〇富山県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01659055229号

〇福島県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 00757055229号

〇長野県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 2059055229号

〇解体工事施工技師1名

〇第三種電気主任技術者1名

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