廃棄物のリスクを考える

産業廃棄物を発生させることは、御社にとってリスクが伴います。

せっかく、お金を支払って産業廃棄物処理業者に委託しても、処理業者が不適正であれば、お客様自身にも責任が及ぶことがあるのです。

これを排出事業者責任と呼んでおりますが、本記事では、過去の不法投棄事件から見る排出事業者責任と御社の廃棄物のリスク回避について考えて見たいと思います。

実録、巨大な不法投棄事件

1999年夏、 岩手県警察本部 に通報がありました。

事件は、岩手県二戸市と青森県三戸郡田子町 の県境での廃棄物の不法投棄事件です。 同本部は、青森県と合同捜査本部を設置して、事件の解明にあたりました。その結果、その規模は、なんと日本の不法投棄事件過去最大規模で、 木・紙くず、廃プラスチック等の圧縮固形化廃棄物で 岩手県側に15万立方メートル、青森側に67万立方メートル、併せて82万立方メートルの廃棄物が不法投棄されていることが分かりました。

82立法メートルというと、ピンと来ないと思いますが、

東京ドームの体積が、 124万立方メートルですから、それの3分の2くらいです。

つまり、恐ろしい量の廃棄物が捨てられていることが想像できるかと思います。

同年11月、3カ月間近くも、夜間の張り込みを行った甲斐もあって、ようやく合同捜査本部は、トラックから不法投棄している現行犯で運転手の身柄を確保し、産廃処理業者・K株式会社から排出された産業廃棄物であることを突き止めたのです。ここからの事件の解明は、早く進んでいきます。

ようやく強制捜査に踏み切ることができたのです。

そして年が明けて、2000年の春、合同捜査本部は、廃棄物約8,000トンを不法投棄していたとして、法人であるS化学㈱・K㈱の代表者2名を起訴しました。

事件の首謀者S化学の社長は、K㈱の社長と仲が良く、本事件にかかわる廃棄物のやり取り以外にも取引があって、それが不適正なやり取りであったことも分かりました。

2001年の春、盛岡地方裁判所は、S化学の社長とK㈱の社長に対して罰金2,000万円、K㈱の社長を懲役2年6月(執行猶予4年)、罰金1,000万円に処する判決を下しました。

不法投棄事案の中で、過去最高に重い刑です。

しかし、これで事件が解決したわけではありません。

青森県三戸郡田子町 は、「ニンニク」や「なめこ」が世界的にも有名で、畜産では、田子牛(たっこうし)で生計を成り立たせる方も多いと聞きます。そんなのどかな山岳地域に突然捨てられた廃棄物をどのように処分していくのでしょう?

また、どの程度の費用がかかるのでしょう?

K㈱の社長とS化学㈱の社長に原状回復をさせねばならないはずでした。

ところが、K㈱の社長は、自らの命を奪うという最悪の結末を迎えます。これにより事件の全容解明があやふやになり、残ったのは大量の不法投棄の山となりました。

この事件を機に、日本の廃棄物に関する法律(廃掃法)は、ますます厳しくなり急激に不法投棄事案が減少していくこととなります。

不法投棄事案の推移表 環境省HP抜粋

国の規制強化で、もっとも力を入れたのが、当時、反社会的勢力による不法投棄が横行していたので、犯罪歴のある方や反社会的勢力の方には、産廃の許可が取れないような法整備を行いました。(欠格要件)

その他にも処理業者が不法投棄をして、その処理業者が原状回復の能力をもっていない場合は、お客様(排出者)の責任で原状回復しなければならなくなりました。(排出事業者責任)これによって、委託契約書やマニフェストがより厳格化されたのです

私たち産業廃棄物処理業者は、お客様から、ただお金をもらって適正に処分するだけでなく、お客様(排出者)にも正しい理解を求め、環境リスクを低減するコンサルティングも担っているといえるのです。

産業廃棄物と一般廃棄物

事業活動に伴って発生する廃棄物を産業廃棄物といい、それ以外のゴミを一般廃棄物といいます。

事業活動に伴うということは、法人から出る廃棄物は、すべて産業廃棄物だと解釈されることもあるのですが、あくまでもその業種をこなしている上で発生した廃棄物を示します。

少しややこしいのですが、

例えば、会社でお弁当を食べて魚のすり身を残したとします。

これは会社で発生した廃棄物でも、業務から発生した廃棄物ではないので、一般廃棄物と位置づけられます。一方で、かまぼこ工場などで、かまぼこを製造している際に発生した魚のすり身は、業務から発生した廃棄物になりますので、産業廃棄物に位置付けられます。同じ廃棄物でも発生する状況によって法令で区分けされるのです。

もう一つ例を出させてください。

会社から発生する紙くずは、どうでしょう?

当然、シュレッダーを使用するといった業務から発生するものだから、産業廃棄物と解釈しがちなのですが、これは間違いで、この場合の紙くずが発生するのは、自分のところの業種ではない限り一般廃棄物として扱われます。逆に紙を製造している会社から発生する紙くずなどは、産業廃棄物として扱われるケースが多いようです。

環境省HPより抜粋 廃棄物の種類の概念

ちなみに、会社から発生する場合の金属くずと廃プラスチックは、すべて産業廃棄物の扱いとなります。

さらに詳しくは 、産業廃棄物収集・処理業者ガイドまで、http://www.wastetreatment-industrial.com/basic_knowledge/difference.html

弊社は、「一般廃棄物」の許可を有しておらず、扱えるのは「産業廃棄物」のみとなりますので、引き取りに行く前に、誤って、一般廃棄物を運搬してしまうことがないよう、綿密な打ち合わせを行わせていただいております。

廃棄物は不法投棄が横行してから規制強化が進みました。それに伴って、御社の背負う企業リスクも高まったように思います。廃棄物の処分の前に、是非弊社にご相談いただければ幸いです。

↑↑↑↑
新潟、長野、山形、福島、富山の
PCB処理はお任せください。

主な許可・資格

〇建設業許可(解体工事業)新潟県知事許可(般-1)第41442号

〇新潟県産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01508055229号

〇新潟市産業廃棄物収集運搬業(積替え保管) 許可番号 05910055229号

〇新潟市産業廃棄物処分業 許可番号 05920055229号

〇新潟県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01558055229号

〇古物営業許可取得 新潟県公安委員会許可 第461070001021号

〇山形県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 0659055229号

〇群馬県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01050055229号

〇富山県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 01659055229号

〇福島県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 00757055229号

〇長野県特別管理産業廃棄物収集運搬業 許可番号 2059055229号

〇解体工事施工技師1名

〇第三種電気主任技術者1名

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です